• 2006.04.19 Wednesday
(「今さらながら『東京タワー』。そして僕。【1/3】」の続き)


僕にとって“お母さん”とか“家族”とか“親戚”の存在は、
ここ1年から2年の間で、かなり大きくなってた。

もちろん出会ってきたすべての人のおかげで今の僕があるんだけど、
中でもそういった身内、特に“お母さん”の存在の大きさは、
もうパンパンに膨れてた。
ずっと自分のことばかり考えてた狭い心の中で、
窮屈にも目一杯膨れ上がってた。

だから“『東京タワー』を読むと母親に会いたくなる”ってことはなくて、
それはもうとっくに感じてことだし、これ以上膨らむこともなかった。

ただ本を読んだことで、
心に溜まってるたくさんの思いが、無数に引っ張り出された。


僕はこの1〜2年で、
僕や弟を思う、当然に見えたお母さんの優しさが、
実は誰もが当然に受けてきたわけじゃないことを知った。
しかもそれは、
お母さんにとってみれば“優しさ”っていう意識なんかなくて、
単純に僕や弟のことを考えた結果の、当然の行動でしかなかった。

そのとんでもない大きさに、僕はずっと気付けてなかった。
それが当然になってた。母親ってそういうもんだと思ってた。

当たり前すぎて、当たり前にしてたことすら気付いてなかった。

自分の部屋のニオイが、自分では分からなくなるみたいに。


僕はそれに気付いてから、少しだけ感謝を伝えるようになった。
声に出すのは恥ずかしいから、
お母さんから送られてきた携帯メールの返事で伝えることが多かった。

あるときいつものように、僕の仕事よりも体を心配するメールが届いた。
改行のまったくないメールには、こんなことが書いてあった。

“元気で仕事が出来ているだけでうれしいです。
 もう困った事があったら力になるよとは胸張って言えませんが
 疲れたら休みに来て下さい。
 何もないけど…篤を大好きな家族がいるだけ…
 お母さんは今それが一番の幸せと思ってます。”

そういったときに、自発的じゃないけど僕は感謝の思いを伝える。

“ありがとう。すごくうれしいよ。
 僕もお母さんたちがいるおかげで、楽しくできてるよ。”


僕と歳が離れてる、中2の弟を気遣うメールが来ることも多い。
部活のこと、勉強のこと、生活のこと。

その中で、印象深かったメールがひとつある。
いつになく悩んでる雰囲気で、
勉強嫌いの弟が周りから遅れをとらないかと心配するメールだった。

“お母さんの事解ってる篤から何かアドバイスありませんか?”

それは別に勉強ができるようになってほしいんじゃなくて、
遅れをとることで、弟が辛い思いをしないかを気遣うメールだった。

メールをもらった僕は、お母さんに学校の通信簿を見せたとき、
いつもこんなことを言われたのを思い出した。

「左側(勉強)より右側(生活)の方が◎ついてると嬉しいよ」


その夜電話した僕は、初めて声に出して思ってることを伝えた。

「○○(弟)にとっては、
 お母さんから信じてもらえてるだけで充分だと思う。
 だから何も言わなくたって、伝わってると思う。
 それに好きなことだったらやる気が出るはずだから、
 勉強が嫌いでも数学が少し得意なら大丈夫だと思うし、
 部活にも燃えて一生懸命やってるんだから、全然問題ないよ」

お母さんにとっては分かりきってるかもしれないことを、
分かったような感じで言った。

そして最後にこう伝えた。

「お母さんやお父さんに育てられたから、
 今の僕があって、こうして好きな仕事ができてるわけだし」


(明日へ続く)

  • 2006.04.18 Tuesday
本を読むのが苦手な僕は、
この分厚い本を読み終わるまでにかなりの時間がかかった。
時間を忘れて読んでても、物理的に読んでる時間は長い。
猫舌が極上のラーメンを食べてると、
美味しいには美味しいけど、食べても食べてもなかなか減らない。


僕は何かに感動してじーんとしたとき、
それに逆らうようにして、気を散らしちゃう癖がある。
目に涙がたまった瞬間、倒れると電源が切れる電気ストーブみたいに、
感情のスイッチがオフになる。
誰が見てるわけじゃなくても、
涙を流しそうになる自分を感じ取ったとき、
誰に対してなのか素直になれなくて、スーッと醒める自分がいる。


中学生になっても母親から叱られて泣いてた僕。
でも昔から「家の外では泣いちゃダメ」って言われてたから、
何度か親戚の家で泣いた以外は、親の前でしか泣いたことがない。

嬉しかったとき、悲しかったとき、感動したとき、
目に涙を溜めることはたくさんあったけど、こぼれたことはない。

そういえばここ10年以上、涙を流してなかった。


今日ようやく、今さらかもしれないけど、
リリー・フランキー著『東京タワー』を読んだ。

全編でたった一回だけ、
左目からほんの一滴、涙がこぼれた。


他界した“オカン”から“ボク”へのメモ(手紙)のあたり、
本のページをめくったらメモっぽい改行が視界に入ってきちゃって、
そこに差し掛かったときに、ほんのちょろっと。

目薬の最後みたいな、頼りない一滴。

頬をつたってくうち、くすぐったさと一緒に消えたけど、
僕にとっては“のび太君”並みの大量の涙だった。


とはいえその涙は、
「母」と「死」をテーマにした本を読んだことで、
条件反射的に流れただけなんじゃないかってことも否めない。

ウチの“お母さん”の大きさが見え隠れするたび、
チラチラとそっちに視線がいって、涙が引いてたのも事実で。

それでも一滴流れたわけではあるけれど。


(明日へ続く)

  • 2006.04.17 Monday
冴えない天気の中、ドラッグストアへ自転車を走らせた。

ずいぶん前から手湿疹が出てて、
これまでハンドクリームでごまかしごまかししてきたんだけど、
腕のあたりにも軽く出てきちゃったし、
さすがにしっかり治さないとってことで薬を買いに。

季節は春。
乾燥の季節が終わったことで、
クリーム関係の売り場がどこにあるのか分かんなくなってた。

店内をウロウロ。
くまなくウロウロ。

オロオロ感を隠してウロウロしつつ、
2周くらいしたとこで「見つけた!」と思ったら、
僕の動きが目についてたらしく、店員のオッチャンに話しかけられた。

「どんなものをお探しですか?」


なぜドラッグストアの店員の男はカマっぽい人が多いのか謎だけど、
そこに怯えるわけにもいかない僕は、湿疹の症状を伝えた。
どの薬がいいのかを教えてもらった。

そしたらオッチャンは、微妙にカマっぽい口調で、
ものすごく親切にいろんなことを教えてくれた。
僕が「結局は生活改善が大切ですもんね」なんて知ったかぶるから、
スイッチがターボに切り替わっちゃったらしく、
薬を塗る以外にどんなことをしたらいいのかをいろいろと教えてくれた。

・ビタミンBとビタミンCはいくらとっても尿として出るから、
 たくさんとっといた方がいいこと。

・逆をいえば、尿として出ちゃうからこまめにとらなきゃなんないこと。

・寝る3時間前からは食べないこと。

・ビタミン剤は食後に飲むこと。

ほとんどがこれまでも心がけてたことだったけど、
“ビタミン剤を食後に”ってのは知らなかった。
いつも食前も食後も考えないでビタミン剤をとってた。
ちなみにあとから理由をネットで調べたら、

『胃腸の消化活動が活発な「食後」に飲んだほうが、
 ビタミンが吸収されやすい。とくにビタミンA、D、Eといった
 脂溶性ビタミンは、食事に含まれる脂肪分が吸収を助けてくれるので、
 必ず食後に飲むようにしたい』

とのこと。
聞いてみるもんだなーって思った。


「“ハイチオールC”っていいですよ」

オッチャンはさらに、ある飲み薬を勧めてきた。

今は「肌の新陳代謝」をウリにして、
「女性用の薬」ってのを全面に押し出してるけど、
本来は二日酔いやだるさ、疲労感、湿疹、かぶれなんかにも効く薬らしい。
エスエス製薬だけしか開発できないっていう薬らしくて、
40年くらい前からずっと消えることなく店頭に並んでるとか。
で、40年も店頭から消えないってことは、それだけの力があるはずで。

そこで僕は、90粒で2000円を超える高い薬だったけど買うことにした。
強く売り込まれたら別の薬局で買おうと思ってたけど、
オッチャンが「高い薬なのでまた買いたいときにでも」って言うから、
イヤな感じがしなくて「いや、今買います」って即決。
中谷美紀じゃない方の、硬派なパッケージのを買った。

そうして今、まだ効いてるのか効いてないのか分かんないけど、
丸の内OL並みに、ハイチオールCを毎日飲んでる。
薬にはあんま頼りたくなかったけど、そんなこと言ってられない。
じっくり治していかねばと思う。

結果はまた今度ってことで。


そんな感じで今回思ったことがひとつ。

“カマっぽいオッチャンでも、薬を買うときは店員に聞いとけ”

それは薬に限らなくて、他の場面でも同じ。
店員さんには、いろいろ聞くべきだと思った。
気まぐれでサラダを出すような店長以外なら、きっと答えてくれるはず。

今回の僕でいえば、ビタミン剤を飲むタイミングを知った。
ハイチオールCがいろんなことに効く薬らしいことを知った。

オッチャンから教わったことを、実践していかねばと思った。


ただ、そんなことを思いながらブログを更新してる午前8時前。

これが寝起きじゃなくてずっと起きてたっていう時点で、
絶対良くないんだろうけど。

  • 2006.04.16 Sunday
今年初めて七分丈パンツを履いた金曜日、
寒さが戻った夜に、六本木の屋外で飲んでた者です。

そこはちょっとした通路にもなってて、
僕らの横を通ったロシア人美女が、不思議な顔してたのも納得。

桜と七分のタイミングは難しい。


そんな感じでまた飲んだくれた結果、
改めてスゴいなーって思ったことがあって、
それはどうやって帰ってきたかまったく覚えてないくせに、
普通に帰ることができちゃう人間の“脳”。
記憶が飛び気味でも、いつも通りの電車の乗り換えをして、
家まで道を間違えず帰れちゃうわけで、
それを考えると脳ってよくできてるなーって思う。
記憶が飛んでても、記憶してることは発揮できちゃうっていう。

それって、体で覚えてる記憶らしい。
間違ってたらゴメンナサイ、たぶんそうだったと思う。

難しいことをいうと、記憶の中でも一番下の階層にある記憶で、
『手続き記憶』っていう記憶の中でも一番忘れにくい部分なんだとか。
例えば覚えた英単語や数学の公式みたいなものは、
『意味記憶』(主に知識)っていうだんだん思い出せなくなるものだけど、
『手続き記憶』は一番最後まで残ってるものらしい。
朝ごはんを食べたあとに「朝ごはんはまだかね」って状態になっても、
家までの道が体に染み付いてれば帰ってこれる。
自転車に乗るとか、箸を使うみたいなのもそう。
自転車をこぐとき「右、左、右、左」とか意識してないわけで、
そういう記憶はいつまでも残りやすい。

…と、知識をひけらかしたかっただけなんだけど、
あいまいな記憶から引っ張り出してるから、間違ってるかもしんない。
話半分で覚えといてもらえたらと。

そんな話を、実は前もしてることを忘れてたり。


そんなわけで、結局何が言いたいかっていうと、
暦の上では春なんだから、もう七分丈でいいじゃんってこと。
ただでさえ寒い六本木の街中で、
ロシア美女はもうちょっと温かい視線をくれてもよかったじゃんってこと。

六本木にちっちゃく訪れてた春を、もうちょっと評価してほしかった。


ただ、そんなこと書いてる今、足をコタツに入れてぬくぬくと。

温かいお茶を飲みながら、寒い夜を過ごしてる。

  • 2006.04.15 Saturday


「広島白みそ」が今、熱い。
たまたま買ったんだけど、これがかなり美味しい。

普段あまりみそ汁を作ることはなくて、
食べるにしてもインスタントだったんだけど、
この味噌を買ってから、かなり作るようになった。

ネギと油揚げ、豆腐っていうシンプルなみそ汁。

味は濃厚で、ほんのりとした甘さがある。


僕の実家があるあたりは「東西文化の分岐点」にあたる。
東海道で“越すに越されぬ”って言われてた大井川から、
直線距離で数百メートルの場所。
江戸時代は橋がなくて東西の行き来が難しかったから、
(徳川幕府が江戸防衛のために橋を架けなかったとか)
この大井川でいろんな文化が分断されてた。

例えば雑煮なら関東が切り餅を焼いて入れ、
関西は丸餅を焼かずに入れる。
関東では丸おにぎりで、関西では三角おむすび。
東のそばと西のうどんや、東のにぎりずしと西のちらしずし。
背開き、腹開き、濃味、薄味。
東西の食文化は、基本的に大井川で区切られてるらしい。
そこまでクッキリとした線はないし、いくらでも例外はあるんだけど、
基本的にそうなってるらしい。

だからウチのあたりは、東西の文化が複雑に混ざってる。


前置きが長くなったけど、
味噌の場合は関東が赤みそで、関西が白みそって言われてる。

ウチの実家の場合は昔から白みそで、
赤みそのみそ汁をほとんど食べたことがない。
だから外食したときに出てくる、
赤みそのちょっとしょっぱいみそ汁はかなり衝撃的で、
店でしか出てこない、高級なもんだと思ってた。

そんなわけで一人暮らしを始めてからは、よく赤みそを使ってた。
もしくはどっちつかずな合わせみそ。
お金がなかったから、値段的には一番安いのを買ってた。


でもこうして「広島白みそ」を買ってみたら、
美味しい調味料探しって、かなり楽しいもんだなーって思った。
美味しい“さしすせそ”で料理が楽しくなるし、
食べたときの感動がある。
適当な料理を作っても美味しくなってくれるから、
なんだか料理が上手くなったような気分になれるし。

今使ってる醤油は、
卵かけごはん用として売られてる醤油「おたまはん」なんだけど、
これも他にいろんな醤油を試してみたいと思った。
ちょっとくらい高くても、長く美味しく使えるわけだから。

僕の中の“調味料ブーム”は、ちょっと続きそうな気がする。


…ってなんだかまとまらない話になっちゃったけど、
そういうちっちゃな幸せが毎日あるのって、なんかいいなーって思った。

食へのこだわりはないし、別にまずい料理も気になんないけど、
美味しくてにやける瞬間って、やっぱり幸せ。


Calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< May 2020 >>

Archive

Mobile

qrcode

Selected Entry

Comment

  • 年が明けてから引越した人の「収支内訳書」の「住所」の書き方
    Mr. B
  • 中国で買ったお菓子[7] 茯苓夾餅
    イチカワ
  • 中国で買ったお菓子[7] 茯苓夾餅
    上村 知子
  • Golden OREO(Mondelez)
    おねつ
  • 揚げパスタ グリーンカレー(杵屋)
    まかな
  • キングアイランド ココナッツウォーター
    イチカワ
  • VAIO ZをWindows 10にして生じた、ちょっとした不便
    イチカワ
  • VAIO ZをWindows 10にして生じた、ちょっとした不便
    tom
  • VAIO ZをWindows 10にして生じた、ちょっとした不便
    イチカワ
  • VAIO ZをWindows 10にして生じた、ちょっとした不便
    ccdmm2000

Link

Profile

Search

Other

Powered

無料ブログ作成サービス JUGEM